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よつば君

まだ、そんな世界で生きているの?

料理ができる男には敵わない。

以前、好きな女性がいた。私の友人も彼女のことが好きだった。

長い黒髪がとても印象的な女性だった。

細かい事を気にせず、とても大らかで、そんなところに私は惹かれていた。

目次

私と友人は彼女が好き

私と彼女と友人は、仲の良い友達関係であった。

しかし、私が彼女のことを好きなことを友人は知っているし、友人が彼女のことを好きなことも私は知っていた。そんな複雑な関係が2年ほど続いていた。

そんな時、彼女に絶体絶命の危機が訪れた。どのような危機なのか書くことが出来ないため、省略するが、とにかく、ものすごいピンチだ。今後の人生を左右してしまうことは間違いなかった。

そのピンチを救ったのが私だった。

体を張って、命がけで彼女を救った。

本当に大変だった。

そんな私の姿を見て、彼女の気持ちは私に傾いた。

99.5%私に傾いた。

彼女の気持ちは、ほぼすべて私の物と考えてよかった。

友人には悪いと思ったが、好きな気持ちを抑えることはできなかった。

そんな私と彼女の事を察してか、友人が最後の夕食に我々を招待してくれた。場所は友人の自宅だった。

友人は料理が得意だった。その日も我々の為に腕を振るってくれた。出てきた料理は、カニを贅沢なほど使用した、カニスパゲッティーだった。

パスタにはカニみそとクリームをまぜ、軽く塩コショウで味を調えたものだった。

最後に、身を取り出したカニの甲羅をオリーブオイルで熱を通し、パスタの上に乗せた。見た目にも豪勢なパスタだった。

甲羅を横によけ、フォークにパスタをからませ、口に運び。

「うまい」口の中にカニみその風味が広がる。

今まで食べたパスタの中でも1番ではないか。今さらながら、友人の料理の腕には感心させられた。

彼女に目を向けると、とても幸せそうな顔をしていた。絶体絶命の辛い時を乗り越え、幸せそうな顔をしている彼女を見て、心が穏やかになった。

食事のあとは、3人でたわいもない話をしていた。とても楽しい時間だった。

それから1週間後、友人から呼び出された。

待ち合わせ場所に行くと、何故か彼女もいた。

友人の口から思いがけない言葉が飛び出した。

「俺たち、付き合うことにしたんだ」

意味が分からなかった。

彼女も申し訳なさそうな顔をしている。そりゃそうだ、私が命がけでピンチを救ったのだ。それがなぜ、別の男と付き合うのだ。

99.5%私の物になっていたのに。

私は思い返していた、そうだ、友人宅で手料理のパスタを振る舞ってもらった時から彼女の様子がおかしい。

友人の手料理によって、心が動かされた。間違いない。

料理男子 恐るべし

女性雑誌で読んだことがある。料理ができる男はモテると。

なんてことだ。こんことなら料理教室に通っておくべきだった。パスタなんて洒落たものではなく。手作りの餃子でも私が振る舞っていれば、彼女の心は私から離れなかったであろう。

やはり料理ができる男はモテる。

思い知らされた出来事であった。

その出来事から1年後、友人と彼女は結婚した。私は二次会に呼ばれた。久しぶりに友人と彼女を見てお似合いだなと思った。なぜ一次会に呼ばれなかったかわ聞けなかった。

それから3年後、友人の彼女が離婚したことを聞いた。

友人の几帳面さに彼女が付いていけなかったようだ。

友人は料理も好きだが、片付けることがもっと好きなのだ。料理中も手際よく片付けていたのを思い出した。そんな彼に、大ざっぱで彼女はついていけなかったようだ。

なぜか、ざまあみろ!と思った。そんな所が私のモテない理由なのかもしれない。