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瞳が大きくなった。正確には瞳孔が開いた、それも右目だけ。
ことの発端は、右目の調子が悪くなったので午前中に眼科に行った。
担当の先生から、開口一番「瞳孔を開いて検査しましょう」とのこと。

瞳孔を開くと、とてもまぶしいらしく、焦点も合いづらくなると説明を受けた。
午後から仕事があるので、支障はあるのか尋ねると、「疑わしい右目の瞳孔だけ開いて検査しましょう」とのこと。

瞳孔を開くための目薬を10分おきに点眼すること数回。右目の瞳孔が次第に開いてきた。
開ききった瞳孔の状態が次の写真である。

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はっきりと左右の瞳孔の大きさが違う。

左右の瞳孔の大きさが違う!

自分の瞳を見てびっくり。本当に右目の瞳孔だけが開いている。そのような処置を行ったので当然のことではあるが。

実際に右目だけの瞳孔が開いている状態は驚きである。このような事が出来るなんて、人類も進化したものだと感心した。
左右の瞳孔のに違いがあるため、当然の如く違和感が感じられる。
その違和感の原因を探るべく、片方ずつ目を閉じて見え方の違いを観察してみた。 まず、異常の無い左目だけで見るとこんな感じだ。

左目だけで見た場合

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至って普通の景色である。可もなく、不可もなく。見慣れた光景が目の前に広がっている。
木陰から差し込むほど良い日差し。いつものデザート、上品に配列されたオードブル。
どれもがいつもの日常と変わらぬ装いをしている。
小腹の空いた私は、淹れたてのコーヒーでのどを潤すと、まずは傍ら置かれたデザートを口に運ぶのであった。なんて感じである。
そんな有り触れた日常が左目で見た世界には広がっていた。
私は、ありふれた世界に別れを告げるよう左目を閉じ、右目を開けるのであった。

右目だけで見た場合

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なんだこれは!
まぶしすぎる!
光輝いた世界とは、まさにこのこと。
全てが輝きに満ちている。ダイヤモンドの輝きにも引けを取らぬ世界。美しい光景が広がっていた。

近所のドブ川も、うずたかく積まれた生ごみの山も、この瞳を通せば美しい光景であることは間違いない。
隣で週刊誌を熟読している老婆も光り輝いている。
そのまま天に召されてしまうのではないかという雰囲気をかもち出している。
記載されているゲスな記事も神々しさを放っている。
あのハーフタレントの記事か。皆、お盛んだな。でも美しい・・・字が小さくて読めないが。
全てが光り輝く世界。
いや、まぶしすぎる。頭が痛くなる。
すさんだ心には、この世界は刺激が強すぎる。
私は、映画の主題歌にもなった例の歌を思い浮かべながら、そっと、瞳を閉じるのであった。

主題歌を歌っていたのは三重県出身のアーティスト。最近見なくなったが、元気なのか

目には異常がなかった

名前を呼ばれ、診察室に通された。右目に光を当てられ、様々な検査を行った。一連の検査を終えると、先生から意外な一言が
「異常ありません」
そっと胸をなでおろした
「加齢ですね」
言わなくてもいい一言に肩を落とす私。年には勝てない。

光り輝く世界は5時間もすれば終わってしまうとのこと。 その間、私は美しい世界と現実の狭間で葛藤するのであった。

因みに、左右の見え方の違いに使用した写真は、私が五つ星ホテルに泊まった際のものである。
何かの副賞で五つ星ホテルの宿泊をもらった。
とても美しい体験であった。
今回の経験と同じく、美しい物は一瞬で目の前を通り過ぎていく。
せつない。