高齢者マーク画像高齢者ドライバーの交通事故が増えているようです。コンビニに突っ込んだり、歩行者に追突したり、テレビをつけると高齢者の方が運転する車が暴走したことによる事故報道が流れています。

このような事故は昔から発生していたように思うのですが、最近多くなってきたのはなぜだろう?。そんな疑問が沸いてきます。

高齢化により高齢者のドライバーが増えてきたから?

理由は様々ですが、高齢者の事故で多い現象が

アクセルとブレーキの踏み間違いと

前進と後進の間違いです。

これらの間違いは高齢者だけの問題ではないかも?

そんな疑問から導き出した答えが「自動運転車への布石」ではないかと考えるのですがいかがでしょうか。答えに至った経緯をお話しします。

トランスミッションの変化 MTからATへ

原因の一つにアクセルとブレーキの踏み間違いが指摘されています。この問題が持ち上がったのは自動車の変速装置であるトランスミッションがマニュアルトランスミッション(以下:MT)からオートマチックトランスミッション(以下:AT)に変化が起因していると思います。今の車は、ほとんどがATの為、MTの事を分からない方もいると思いますので、簡単にご説明します。

マニュアルトランスミッションとは

エンジンから発生する回転する力をタイヤに耐える為にエンジンとタイヤの間に変速機(トランスミッション)を設けます。

トランスミッション内部にはギヤと呼ばれる歯車が複数枚組み込まれており、車の速度に応じて手動でギヤの組み換えを変更する方式がマニュアルトランスミッション(MT)です。

MTの場合、足元には左からクラッチペダル、ブレーキペダル、アクセルペダルの3種類のペダルが配置され、ギヤを切り替える時はクラッチペダルを左足で踏み込む必要があります。

オートマチックトランスミッションとは

エンジンからの回転する力タイヤに伝える為にエンジンとタイヤの間に変速機(トランスミッション)が設けられているのはMTと同じです。

ATの種類によってトランスミッションの内部構造は異なりますが、トランスミッションの内部のギヤと呼ばれる歯車を車速に応じて自動的にギヤの組み換えを行う方式がオートマチックトランスミッションです。

ATの場合、足元にはブレーキペダルとアクセルペダルしかありません。

トランスミッションによる発進の違い

ご説明したように、MTの場合は直進する際、左足でクラッチペダルを踏みこみ、ギヤを直進方向の1速に手動で切り替える必要があります。

その状態のまま、右足でアクセルを軽く踏み込み、左足のクラッチペダルを半分だけ戻す半クラを行い、やっと車は緩やかに直進を始めます。失敗すると、エンジンがストップすエンストを起こします。このように、MTでは直進するだけでも大変手間なのです。

ATの場合はギヤをDに入れるだけで前に進みます。アクセルを踏み込めばそのまま加速します。

この走り出すまでのプロセスが事故の起因していると考えられます。

MTによる車の発進

・発進時に手動で1速にギヤを入れなければならない。

・発進時にクラッチペダルを踏み込み、且つ、走り出すときに半クラにしなければならない

・失敗するとエンジンが止まる(エンスト)

ATによる車の発信

・Dレンジに切り替える。

・アクセルを踏み込む。

発進の違いによる考察

このようにMTの車を発進させることは非常に手間で難しいことがお分かりいただけたかと思います。前進、後退をドライバーが意識してギヤを切り替え為、前進と後退の間違いが少ない。また、間違っても、クラッチを直ぐ踏む習性がMTのドライバーにはあり、パニックになったらクラッチを話してしまうため、エンジンが止まる。そのことが事故の防止に役立っているように思います。

ATは発進までの動作が少なく、また、間違いに気づくことが少ない為、アクセルの踏み間違いや、前進、後退を誤ってもその動作を停止することができないようです。

MTの時にはこのような問題はなかったように思います。テレビ等の報道でも事故を起こしている車は全てATです。車の技術の向上が引き落とした問題の可能性もあります。

高齢者だけ?

この問題は車の構造に起因する為、高齢者だけの問題ではないように思います。それなのに、高齢者の方がクローズアップされているのはなぜでしょう?。

確かに高齢者の方は判断能力などが若い人よりは低下しているので事故も多いと思います。しかし、高齢者にも車は必要です。運転免許証の自主返納を進めているようですが、買い物や通院など公共交通が少ない地方では車は必需品です。そんな高齢者から車を取り上げることはできないはず。

自動運転への布石では

生活に直結しているから高齢者から車を取り上げることはできません。しかし、高齢者の運転が危険な事も事実かもしれません。それを解決する手段として注目されているのが「自動運転技術」です。

自動運転には様々な問題があり、実用化には何年もかかると言われています。しかし、高齢者の事故が社会問題となれば自動運転へ舵を切りやすくなります。

社会問題として皆が認識し自動運転への流れを加速させることが本来の目的ではないでしょうか。そんな勘ぐった考えをしてしまいます。

手動にせよ、自動せよ、ご安全に。

最後は自動車の最高峰フェラーリで話を結びます。

以上、高齢者運転の交通事故が増えた原因は?昔は無かったのにでした。