心療内科の選び方についてお話します。

体に異常は感じられないが、やる気が起きなかったり、夜寝られないなどの原因不明な体の不調が続くと心の病気ではないかと疑います。メンタル的な事なので周りにも相談できず、相談できたとしてもストレスが原因と片付けられる。でも、何かおかしい。

また、胃の痛みがあり、内科を受診したが問題は無かった見つからなかった。しかし、まだ胃が痛いなどの原因が分からない体の不調。

そんな時に頭に浮かぶのが心療内科です

精神科ほどハードルは高くないが、どことなく受診しづらい。でも、診てもらうなら評判の良い病院にしたい。

そんな方に心療内科の選び方をご紹介しましょう。

心の病気は風邪や歯痛などと違って、判断が難しい病気だと思います。先生が間違った診断結果を下すと、直るどころか症状が悪化してしまいます。

キチンと精査して心療内科を選ぶようにしましょう。

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目次

 

筆者の紹介(家内が統合失調症、私がうつ病)

家内が3年前から精神疾患を患い、日常会話もまともにできない状況になりました。最終的に統合失調症と分かりましたが、病名が判明するまでに2回も病院を変わることになりました。

統合失調症とは昔は精神分裂症と言われた重度の精神疾患で、ネットで検索してもらえば、この病気がどれだけ凄まじいかご理解いただけると思います。家内は自分が病気だという認識が無く、家族がグルになって陥れていると思っていたそうです。

3回目の病院に通い出してから症状が劇的に改善し、現在では、ほぼ普通の生活に戻っており、すぐにでも働ける状態まで回復しました。

過去2回の病院もネットなどで病院の実績を確認し、クチコミなども細かく調べた上で通院していました。特に2回目の病院では、初診の際に担当医から症状が酷いから、精密検査が必要と判断され、2週間にわたり検査したにもかかわらず、原因が分からず、最終的には、たんなるストレスで、精神疾患ではないとの結論になってしまいました。この結論に達するまで2カ月を要しました。

担当医の先生には前に通っていた病院での経過についても、当然伝えています。その後も、ストレスを改善させるため、暫く通院しましたが、症状が改善するどころか、悪化する一方で、最終的には何をするか分からない状態になってしまったので、やむなく他の病院を受診することにしました

3回目の病院を受診した経緯は、私自身が精神疾患では無いことに納得できなかった事と、今度受診して、精神疾患ではないと判断されたら諦めようと考えていたからです。しかし、3回目の病院では、統合失調症の可能性が高いとの診断結果が比較的早い段階で出ました。更に、どうしてもっと早く病院に連れてこなかったのかと言われました。

先生から処方された薬を飲み始めたら、1ヶ月で劇的に症状が改善されました。信じられず奇跡を見ているような感じでした。今まで意思疎通や会話もまともにできなかったのが嘘の様でした。ここまでに2年を費やしました。

なんでこの病院に直ぐに通わなかったのか、今でも悔やまれてなりません。2年間は地獄のような日々でした。過去に受診した病院には失った日々を返せと言いたいぐらいです。

そんな私と同じような経験を皆さんにはしてほしくありません。

そう思い、この記事を書きあげました。

因みに、家内の看病と仕事の激務で私自身が病魔に蝕まれ、軽度のうつ病を発症してしまいました。家内と同じ病院に通院し、今は休職して療養中です。

家内と同じ先生に担当していただき、順調に回復に向かっており2カ月で職場復帰の予定となりました。

病院選びさえ間違わなければ、患者本人だけでなく家族も救われます。私も自身もうつ病にならなかったかもしれません。

心療内科を選ぶ前準備

心療内科を選ぶ前に準備しておかなければならなおことがあります。準備をせずに病院に行っても胸の内を先生に上手く伝えることが出来ず、時間の無駄になることもあります。準備の内容も難しいことではありません。何でも段取り八分です。

本人が受診前に家族に相談

まず、受診する前に家族に相談しましょう。

家族に体の不調を具体的に伝え、「いつから、どのような状態があって、今はこの様に状況だ」と分かりやすく言いましょう。家族の中には体調の変化に気づいていたが言えない場合もありますので、この際に気づいていたことは全て聞き出しましょう。本人では気づかなかった異常が見つかるかもしれません。また、最初の診断には家族も同席してもらいましょう。

 

家族に相談するポイント
  • 家族に病状を話すことが出来るか。
  • 家族に打ち明ける場合は、発症時期や症状を具体的話そう。
  • 初診の時に家族が同席してくれるか確認しよう。

 

本人が病気に気づいてない場合

本人が正常ではない事に気づいてない場合は、判断が難しくなります。

本人の精神状態が落ち着いており、話を聞いてもらえる状況なら気づいた点を伝え、病院に行くことを進めても良いと思いますが、本人の精神状態から病院に連れていくことが難しいのであれば、家族だけで病院に行くことを考えましょう

私の場合も本人が病気であるとの認識が無かったので、私だけで初めは病院に行きました。

家族だけの受診でも相談出来る病院があります。受診する前に病院に連絡して家族だけの受診と伝え、「いつから、どんな症状があり、今の状態はこうです。」と具体的に伝えるように準備しておきましょう。

 

病気に気づいて無い時のポイント
  • 本人に病気の事を話すことが出来るか判断が必要。
  • 本人の通院が無理なら家族だけで病院に行く。
  • 病気の発症時期や症状を思い出しておく。

 

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症状を具体的に書き留めておく

病院を探す前に、今の状態を具体的に自分自身が認識するために症状を書き出しましょう。また、本人が病気であると認識していない場合(病識が無い)は家族が具体的に症状を書いて置きましょう。

これは、受診する時に思い出しながら症状を伝えるより、紙に書き出し、それを読みながら症状を説明したほうが先生に病状を理解してもらいやすいからです

私の場合は書き出したメモをそのまま先生に渡しました。

かなり具体的に書いたので、先生からは不足分の質問しかなく、スピーディに診察を進めることができました。

 

具体的に書くポイント
  • いつから症状が確認されたか。
  • どのような症状が現れているか。
  • 常に症状が現れているか。

 

心療内科の立地条件

病院を選ぶうえで大切なことは立地条件です。先生の腕も大切ですが、同じくらい大切です。立地条件を見極めるポイントを見てみましょう。

自宅から近い病院

私が声を大にして言いたいのはこの項目です。

心療内科を受診する場合、世間体を気にして家から離れた病院を受診しがちですが、自宅から近い場所にすべきだと思います。

風邪や歯の治療とは違い、1回や2回受診したぐらいでは病名も分からない場合が多く直ることもありません。そのまま通院を続け、1年や2年、それ以上通わなくてはならない場合もあります。

本人の症状が軽く車の運転が大丈夫と思っても、処方される薬によっては運転を禁止されます。その時に、家族が送り迎えをしなければならず、それが長期間続く場合は体力的にも心理的にも負担になります。

 駅に近い病院

どうしても自宅近くに病院が無い場合は、駅に近い病院を探しましょう。処方される薬によっては車の運転が禁止される場合もありますので、車でしか通えない病院だと、誰かが車を運転して連れて行かなければならなくなり、大変負担になります。

駅の近くには比較的心療内科はありますので。電車で通うことも考慮して病院を選びましょう。

隣近所や友人の家族も言わないだけで受診している

心療内科に通っていると聞くと、少し変な目で見られると思いがちですが、意外と通っている人は多いです。隣近所や友達など、皆、言わないだけで本人が通院していたり、家族が通院している事は珍しいことではありません。

世間体を気にしがちですが、もっと大事なものに目を向けるべきです。近所に評判の良い病院があり、知り合いが通院しているなら、評判を聞いてみて病院を選ぶ材料にしましょう。

 

心療内科の条件

 心療内科を選ぶ際のポイントをご紹介します。前述した立地条件も考慮の上、受診される医院を探す際の参考にしてください。

心療内科と精神科(神経科)、神経内科が併記

心療内科と精神科の併記とは、例えば、近所のクリニックなどで内科と耳鼻科がが併記されている病院などのように、心療内科と精神科、神経科が併記されている病院を選びましょう。

心療内科と精神科、神経内科では厳密に言えば扱う症例が変わってきます。しかし、併記されている病院であれば、それぞれの科を担当している先生の間での診療方針に関する意思疎通ができる為、心療内科で受診しても症状が精神的な要素が多ければ精神科、神経に該当する症状であれば神経科にそのまま変更できるため、病院を変える必要がありません。

 

予約の無しでも受診可能

心療内科では初診から予約制の病院と、予約が無くても大丈夫な病院があります。

予約制の病院の方が人気があるから予約制にしている印象を抱きがちで、評判が良い感じがしますが、そうではありません。

心療内科に通う場合は、症状が現れて、かなり進行している場合だと思います。その時に、「予約が2週間席まで埋まっています」と言われても2週間も待てません。患者の家族からすれば、一刻も早く受診したいのです。なので、予約の有無に拘らず、予約が無くても行けば診てもらえる心療内科か、予約制だが、待ち時間さえ覚悟すれば予約なしでも診てもらえる病院を選びましょう。

私が通っている病院も初診は予約なしです。予約がないので長時間待たされますが、その日のうちに必ず診てくれます。精神疾患の場合、何が起きるか分からないので、そのことを理解し、患者だけでなく家族の意向にも沿ってくれる心療内科を選ぶべきだと思います。予約の有無より、直せるか直せないのかが大切です。

但し、どうしても予約制の病院が良い場合は、きちんと予約を取って受診する方が良いと思います。

ネットの評判を鵜呑みにしない。

ネットにはいろんな書き込みがあります。全てを鵜呑みにすることは危険だと思います。情報の1つ程度に留めておきましょう。

私も当初はネットの口コミを見て病院を選んでましたが、雰囲気や先生の対応などはネットに書かれたように丁寧でしたが肝心な治療がダメでした。

直るどころかひどくなる一方でした。

今通っている病院はネットで見ると評判は悪いです。理由で多かったのが先生が高圧的で怖いとことでした。私が受診しているときも1つ質問すると、ズバッと言われます。そのハッキリ物を言う姿勢が悪い印象を与えています。

他の患者さんも怖いと言っていますが、私も含め、それでも通っているのは症状が改善されてきているからです。話を聞いてくれても、症状に改善の兆しが無ければ時間とお金の無駄になってしまいます。

繰り返しになりますが、ネットの評判はあくまで参考程度にしておきましょう。

 

心療内科の受診方法

心療内科は普通の病院(風邪でかかるような病院)と違い、先生(直す人)、カウンセラー(癒す人)のようなイメージがあります。病院ごとに若干の違いはありますあが、通った病院が似通った感じでした。大まかな概要をご紹介します。

心療内科のシステム

心療内科のシステムとして一般的なのが、診療は先生、カウンセリングは臨床心理士と別れている場合が多く、先生が診療とカウンセリングを兼務している場合は少ない印象があります。具体的な体に起きている不調を先生に説明し、症状に見合う治療スケジュールを先生が立案して、説明してくれます。その後、診療心理士がカウンセリングを行い、日ごろの悩みや不快に思うことなどの聞き役に徹してくれます。先生は症状を治療をする人、カウンセラーはガス抜きをさせてくれる人、そんな役割分担があるように思います。

先生は話を聞いてくれない。

先生は初診の際はある程度時間を取って話を聞いてくれます。そうは言っても15分ぐらいですが。2回目からはそんなに時間を取って話を聞いてくれません。過去に通っていた病院は5分くらいは話を聞いてくれましたが、今通っている病院などは1分ぐらいで診察が終わってしまいます。

最初は話を聞いてくれたが次から話を聞いてくれなくなったと不満を持つ方が多いようですが、基本的にはどこの病院もゆっくりと話を聞いてくれるスタンスではないです。

また、先生の印象はどこの病院も良くありません。先生の印象だけで言えば、過去に通っていた病院の方が、まだマシでした。

 

先生の受診時の対応
  • 初診は比較的時間を割いて話を聞いてくれる。
  • 2回目の受診から、診察時間は短くなる
  • 2回目は初診ほど話を聞いてくれない。

 

カウンセラーは話を聞いてくれる

カウンセラーは臨床心理士の方が多く、話をゆっくりと聞いてくれます。

先生の愚痴を言ってもいいですし、プライベートの話をするときもあります。不安に思う事や心の変化などを打ち明けて、それを聞いてくれます。しかし、治療に関することなどは相談しても答えてくれないので、先生に確認してみますとの回答が多いです。

カウンセリングは予約制になっている心療内科が多く、時間は医院によって違いますが30分~45分程度です。

私はカウンセリングは受けていませんが、家内はカウンセリングを受けており、最初はカウンセラーの方に心を開いていませんでしたが、次第に意思疎通ができるようになり不満や不安を伝えるようになりました。それがかなりガス抜きになっていたみたいで、カウンセラーの先生には助けられました。今は、ほぼ正常なので、カウンセリングしてもお互い話すことがあまりなく、世間話でお茶を濁す程度だそうです。尚、カウンセリングは人気があり、どこの病院でも予約が取りにくく、順番待ちの状態でした。診察よりカウンセリングの方が予約が取りにくいようです。

 

カウンセラーのポイント
  • カウンセリングはゆっくりと話を聞いてくれる。
  • カウンセリングは予約制が多い。
  • カウンセリング時間は30分~45分ぐらい。
  • 症状が改善されてくると話すことが無くなる場合も。

 

診療科目、科名の違い

 心療内科、精神科、神経科等の違いを簡単にご説明します。どの科目も聞いたことはあると思いますが、違いについてはイマイチ理解されてないと思いますので受診する際のご参考にしてください。

心療内科とは

心療内科とはストレスなどが原因で体に発症する病気を治す科目になります。生きていれば様々なストレスを抱え、心が疲弊していきます。その心理的ストレスが大きくなると胃が痛くなったり、腹痛や頭痛などの症状が起きることがあります。

この様な心理的負担によって身体に現れた病気を治療するのが心療内科となります。

 精神科(神経科)とは

精神科は心の病気を扱う科目になります。

心療内科と違い、体に病気的な症状は現れず、不安感やイラツキ、幻聴や幻覚などの心に現れた症状を治療する科目になります。精神科と神経科は同じ意味の様です。

神経内科とは

脳やせき髄、神経に関する疾患を治療する科目が神経内科です。脳卒中などが代表例です。

 

まとめ

冒頭でも書いた通り、私の家内は統合失調症で、私がうつ病(軽度)です。

家内が統合失調症を発症し、看病と仕事を両立して心身共に疲れ切った時に、私がうつ病になってしまいました。

私は患者の家族も経験しましたし、患者本人の立場も経験しております。両方の立場に立って考えた場合、最初の病院選びが一番大切だと思い記事を書きました。

心療内科を受診することは大変不安です。思わぬ病名を付けられたリ、近所で噂にならないか等。

原因がレントゲンに映ったり、聴診器を当てて分かるものではなく、患者の言葉に重要視される受診科目になります。根治を目指すには、先生とのコミュニケーション、カウンセラーとの意思疎通がカギを握るため、病院選びが大切になります。

今まで対応していただいた先生は全て良い方でした。しかし、精密検査を行っても出てくる答えはバラバラでした。また、答えが分かるのが受診してから最低2週間から1カ月はかかります。その答えが間違っていることに気づくのも2~3カ月かかる難しい病が精神疾患だと思います。

長い道のりになることを頭に置きながら、心療内科を選べば事態は好転する可能性があると思います。

長い文章になってしまいましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。

以上、心療内科の選び方。患者本人や家族目線の通院しやすい病院とは。でした。